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カーボンニュートラルって何?化粧品でできること2023/02/24UP! by 小原亜希 タグ: カーボンニュートラル, サスティナブル, 環境, 脱炭素 過日、小泉進次郎前環境大臣の基調講演を聴く機会をいただきました。脱炭素、カーボンニュートラル社会へ進み新しい生活や暮らしを構築してく時代になるという内容。
私たちが普段使っている化粧品、シャンプーなどについても考えさせられました。講演内容をレポートするとともに、各社の取り組みや私たちのこれからの生活の在り方について考えるきっかけなれば幸いです。
プラスチック資源循環法
昨年の4月に「プラスチック資源循環法」という法律ができたことは皆さんご存じかと思います。コンビニやスーパーで当たり前にもらえていたスプーンや、コーヒーチェーンのストロー、プラカップ。クリーニング店のプラスチックハンガーや包装カバーなど、減らしていこうという取り組みです。
今まで当たり前にあったものが、急になくなると不便だと思うこともありますが、慣れるものもあるし、いつまでたっても慣れない、不便すぎると感じることもあるでしょう。
今、散々「脱炭素・カーボンニュートラル」と言われていますが、プラスチック資源を削減することはこの「脱炭素・カーボンニュートラル」の取り組みに必要不可欠なのです。
脱炭素・カーボンニュートラルとは?
どちらも地球温暖化や環境に対する問題ですが、「脱炭素」とは二酸化炭素排出量ゼロを実現した社会です。二酸化炭素が増えることで、1901~2010年までの約100年の間に海面が19cmも上昇しており、このままの状況が続くと今世紀末には最大で82cmまで上昇すると言われています。
海面が上昇することにより高潮になり、作物の成長に影響が出たり、飲み水が塩水になったりするという被害が予測されています。また、地球温暖化により近年ゲリラ豪雨が増えています。このままのペースでゲリラ豪雨が増え続けるとやはり作物の成長に影響することでしょう。
一方「カーボンニュートラル」とは二酸化炭素の他にメタンやフロンガスなど排出される温室効果ガスを削減することです。脱炭素のようにゼロを目指すのではなく、森林による吸収分と相殺することによって実質的に排出量がゼロになるような取り組みです。温室ガスも気候変動の原因となっており、経済活動や日常生活に伴い排出されています。
あれ?二酸化炭素や温室効果ガスがプラスチックとどう関係あるの?と思う方もいらっしゃるかもしれないので、小泉前大臣の講演内容を引用したいと思います。
そうなのです、プラスティックを作る過程で、二酸化炭素や温室効果ガスをたくさん排出してしまっているのです。まだまだ完全にプラスチックに頼らない生活なんて考えられないですよね。私たちにとって身近な化粧品に置き換えて考えてみるとどうでしょうか?
化粧水や乳液のボトルの素材はプラスチックですか?ガラス瓶ですか?シャンプーのボトルはどうでしょう?詰め替えがエコだと思って使っていても、詰め替えの入れ物も実は温室効果ガスを排出しながら作られているものです。
政府では2050年までに脱炭素ゼロを掲げています。私たちの生活も見直しが必要な時期にきているようです。それでは、化粧品メーカーではどのような取り組みをしているのかご紹介します。
ロレアルの取り組み出典:ロレアルジャパン
化粧品業界で一番早く環境問題に取り組み始めたのがロレアルです。フランス発のロレアルは日本も含むグループ全体で2013年からサスティナビリティへの取り組みを始め、2020にはすでに、国際環境NGO・CDPより、気候変動対策、森林保全活動、水セキュリティ対策について“環境先進企業”としてトリプルAの評価を5年連続で達成しています。新たに2030年までに達成すべき4つの目標を掲げました。
資生堂の取り組み出典:資生堂
資生堂は2023年2月10日、プラスチック製の容器を収集し再生する循環型プロジェクト「BeauRing(ビューリング)」を立ち上げました。プロジェクトの実現に向けた試験的な取り組みとして、4月から資生堂の全ブランドの容器のうち、使用済みプラスチック容器を対象とした一部の店舗で回収を開始します。この取り組みで得られる収集量などの試験結果をもとに、地域、店舗、チャネルの拡大を検証することになっています。
「BeauRing」とは収集した使用済みプラスチック製容器を再生資源としてリサイクル処理を行い、また新たなプラスチック容器を再生するプロジェクトで、将来的には収集から再生までの一連の流れのプラットフォーム化を目指しています。
このプロジェクトは、他の企業の参画も呼びかけることで資源循環の輪が広がり、お客さまがより前向きに化粧品を使うことができるサスティナブルな社会に貢献することを目指しており、すでにPOLAブランドから参画が決定しているそうです。
ON &DOの取り組み出典:MTG
五島列島の椿の恵みを余すところなく使ったスキンケアブランドON & DO では、使用済みプラスティック容器の回収はもとより、五島列島の海岸に集まるプラスチックごみを集めてリサイクルする取り組みをしています。
社会にも地球にもよい循環を巡らせる必要があるという考えのもと、五島列島から島の資産である椿などの自然を通して地球と向き合うプロジェクト、「TSUBAKI FOR EARTH」です。
五島列島は世界に誇る美しい海に囲まれていながら、海岸に漂着する海のごみ問題を古くから抱えており、五島にたどり着いた海洋プラスチックごみが本州へ漂流するころにはそのほとんどが5mm以下のマイクロプラスチックになると言われています。
ON &DOはそれらを自主的に回収し、ビンテージ原料として新たな製品として生まれ変わらせることで海洋プラスチックを五島でせき止めると同時に、海のごみ問題を世界に発信しています。
社員による活動はもちろんのこと、地元の人やお客さまを招いてのイベントとしても定期的な実施をし、海ごみの回収から、選別・洗浄・裁断・色分け・粉砕までの全工程の体験と、その場での簡単な製品へと生まれ変わらせるワークショップを通して、プラスチック原料との向き合い方や商品開発の在り方を生産者と消費者がともに考えられる機会づくりを進めています。
まとめ他にも様々な企業が今、脱炭素・カーボンニュートラル社会に向ける取り組みを急ピッチで進めています。花粉症が始まる時期が早くなったとか、桜の咲く時期が早くなったとか、気候温暖化による影響を身近なこととして感じている人もいるでしょう。
もしかすると、将来的にメタンガスをたくさん発生するため牛肉すら食べられない社会になってしまうかもしれません。そんなことにならないためにも、電気ガス代も上がっている昨今ですし、個々でできる脱炭素・カーボンニュートラルについて考えてみたいですね。
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