寒い季節になると、毛皮(リアルファー)のマフラー、バッグ、ファー付きピアスなどを身に付ける人がいます。フードにリアルファーをあしらったダウンコートも多いですよね。
温かい、ゴージャスに見えるといった理由でそれらを選ぶのでしょうか。ですが、もはやリアルファー製品は時代遅れです。前回、「フォアグラは時代遅れ!アニマルウェルフェアを知ろう」という記事を書きましたが、毛皮アイテムも同様です。
「リアルファー」に対し「エコファー」が浸透してきたことがそれを証明していますね。
本日は、リアルファー製品の現状を見て、わたし達にできることを考えてみたいと思います。
毛皮になる動物の一生
毛皮農場で毛皮製品にされている動物は、代表的なもので、ミンク、ウサギ、タヌキ、キツネ(フォックス)、チンチラ、ラクーンなどがいます。
日本ではあまり知られていませんが、猫や犬、コロコロとした姿が愛らしいアザラシまでもがファー製品にされています。
ここではミンクを見てみましょう。彼らは、毛皮になるため狭く不衛生な檻に拘束されます。最期は、生きたまま皮をはがれ惨殺されます。他にも、満足に飲食もさせてもらえず息も絶え絶えの動物、より多くの毛皮をとるために太らされるキツネ(モンスターフォックス)などもいます。
動物たちの苦しみと恐怖と絶望がしみこんでいるのが、リアルファー製品なのです。
「ファーフリー宣言」をする高級ブランド
※画像:ELLE
こんな状況に、アニマルウェルフェア(動物福祉)を訴える声は大きくなり、リアルファーの一大消費分野であるファッションの世界にも大きな影響を与えるまでに至りました。
プラダ、グッチ、ミュウミュウ、ラルフローレン、ジョルジオ アルマーニといった名だたるブランドが、毛皮を使わない・毛皮を売らないという「ファーフリー宣言」をしています。
(参照:ELLE)
この動きは、今後も多くのブランドに及ぶと期待できそうです。
日本での状況は?
日本は、毛皮「輸入」大国であった過去があり、毛皮「輸出」大国であった過去もあります。ですが、2016年にはすべての毛皮農場は閉鎖され、国内での毛皮生産量はゼロになりました。
ユニクロ、無印良品、アシックス、グンゼ、しまむら、ミキハウスといった大企業が、ファーフリー宣言をしています。大手ではなくてもファーフリー宣言をしている個人経営のお店も増えています。
(参照:VEGAN FASHION)
ですが、残念ながらいまだに毛皮の輸入量はゼロではないのが現実です。経済産業省は、毛皮産業へ毎年補助金を出し続けています。時代は確実にエコファーへと移っていますが、それでもいまだにリアルファーの需要を生み出す消費者と販売者に落胆を感じます。
リアルファーを買わない宣言
わたし達にできることは、リアルファー製品を買わないことです。
リアルファーのマフラーは首に死体を巻き付けること、小さなファー付きピアスだって、耳から死体をぶら下げること。そんなおぞましい選択をするなんて、恥ずかしいことですよね。
いまや、化学繊維でもまるでリアルファーそのものに見えるエコファー製品は増えています。ファッションの選択肢が狭まるなんてことは1ミリもないのです。
筆者は、お店でファー製品を見かけたら「こちらはエコファーですか?」と店員さんに尋ねることがあります。「リアルファーです」という回答には「残念です‥‥」と答え、「エコファーです」という回答には「素晴らしいですね!!」と笑顔で答えます。
ぜひ、まねしていただけたらうれしいです。消費者の声を販売者に伝えていくことが、毛皮ゼロ・リアルファーゼロへの大きな一歩です。