日本でもかなり認知度が高くなった「ヴィーガン」。振り返ると、ヴィーガンが日本で知られるようになったのは、海外セレブがきっかけでした。
美容と健康のためにいち早くヴィーガン・スタイルを取り入れた彼女たちを見て、そのオシャレなイメージに憧れを抱いた人も少なくなかったのではないでしょうか。
ですが、もっと深い理由でヴィーガンという道を選ぶ人がいることはご存知でしょうか?そこには、アニマルウェルフェア(=動物福祉)との切っても切れない関係があります。
ヴィーガンとは
まずは「ヴィーガン」とは何か、あらためて見ていきましょう。ベジタリアンと比較されがちなヴィーガンですが、次のような違いがあります。
【ベジタリアン】肉を食べない人のこと(魚は食べる人、食べない人と分かれます)
【ヴィーガン】動物由来のものは一切食べない人のこと(肉・魚・バター・卵・牛乳など)
また、ヴィーガンも大きく分けると2つのタイプがあります。
【ダイエタリー・ヴィーガン】皮、毛皮製品、虫由来の製品(ハチミツ、絹など)を使う
【エシカル・ヴィーガン】上記を使わない
最もストイックなヴィーガンが、エシカル・ヴィーガンということになりますね。ここからは、2つのヴィーガンを区分せず、まとめて「ヴィーガン」と呼んでいきたいと思います。
アニマルウェルフェアとは
それでは、ヴィーガンと深い関係にあるアニマルウェルフェアとは?
アニマルウェルフェアは、「動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」」と、政府間機関である国際獣疫事務局(OIE)により定義されています。
これだと少しわかりづらいですね。もう少しかみ砕いて言うと、家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすこと。
これらは農林水産省のホームページにも明記されています。
(参照:アニマルウェルフェアについて)
さらにいうと、家畜となる動物だけではなく、動物園や水族館の生き物も含め、すべての動物の生き方をできる限り尊重しよう!というのがアニマルウェルフェアです。
残念なことに、日本でのアニマルウェルフェアの認知度は世界と比較するととても低く、先進国の中ではほぼ最下位です。ですが、アニマルウェルフェアの重要性と関心度は年々高まっているため、わたし達日本人もぜひ知っておかなければなりません。
ヴィーガンになる3つの理由
それでは、冒頭に書きました、人々がヴィーガンになる本当の理由にスポットを当ててみましょう。大きく分けると、次の3つの理由が考えられます。
・美容と健康のため
・アニマルウェルフェアのため
・畜産業が地球温暖化に大きな影響を与えているため
最初は美容と健康のために始めたヴィーガンだとしても、その実態を知るにつれ、アニマルウェルフェアへの意識が強くなる人が多いと言われています。
つまり、オシャレだからという理由ではなく、生き物の権利の問題と、環境問題に関心を寄せ、ヴィーガンという道を選ぶ人もいるのです。
誰でも取り組めるヴィーガン・スタイル
今後、アニマルウェルフェアは日本での認知度が高まります。ヴィーガン・スタイルを実践することは、アニマルウェルフェアを推進することにつながります。わたし達ができる第一歩として、動物が動物らしい生き方をするとはどのようなことなのかを考えてみませんか。
動物は好きだし、アニマルウェルフェアにも興味がわいてきた。だけど、ヴィーガンって特別な人がすることでは?難しいのでは?という疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
ところが、そんなことはないんですよ!誰でもすぐに取り組めるヴィーガン・スタイルが存在しますので、次回から数回に分けてお伝えしていきたいと思います。