顔の保湿はバッチリでも、ボディの保湿はいまひとつ…そんな方は多いのではないでしょうか。乾燥しやすい部分だけでなく、インナーのゴムが当たる部分などは、刺激も受けやすく、ボディミルクを塗ってもなかなか追いつかないもの。
そこで、ぜひ試してほしいのが動物系オイルです。その特徴は、なんといっても肌なじみの良さ。動物系オイルの脂肪酸組成は人間の皮脂に近いため、肌との親和性がとても高いのです。
今回は、保湿の奥の手ともいえる動物系オイル3種をご紹介します。
動物系オイルの大定番・昔ながらの馬油
動物系オイルの中で最も身近なものは、「馬油」ではないでしょうか。「そういえば、おうちの薬箱に入っていた」という方もいらっしゃるかもしれません。
馬油の歴史はかなり古く、5〜6世紀には中国の医師の書物に登場しています。16世紀頃の「本草綱目」では、肌荒れや筋肉けいれんの緩和などの効果が記されており、日本でも傷の手当てや肌のお手入れなどに、馬油は脈々と受け継がれてきました。
馬油を塗ると、じゅわっと肌にとけこみ、すり込んでいくうちになじんでいきます。その秘密は馬油に含まれる不飽和脂肪酸のオレイン酸とリノール酸の割合が、人間の皮脂に近いから。納得の使い心地です。
ドラッグストアなどで入手しやすいのもメリットです。ぜひ乾燥が気になるボディで、馬油の保湿力を実感してみてください。
馬油を超える肌なじみ!希少なイノシシオイル
馬油のように使い勝手がよくて、馬油以上に使いやすくしっとりを実感できるのが「イノシシオイル」です。その理由は、馬油よりもイノシシオイルの脂肪組成のバランスが、人間の皮脂に近いから。
イノシシオイルも、傷の手当てなどで古くから人間の生活に役立てられてきました。あまり知られていませんが、ハンターの方たちの間では、肌を保護するオイルとして活用されてきました。
古代日本で施行された「養老律令」の中の物納租税※として、「猪脂」の記載が残されているほどなのです。※税をお金で納める代わりに、不動産や品物で納めること
イノシシオイルを塗ってみると、想像以上に軽い感触に驚きます。少量でも伸びがよく、ベタつかずスッと肌に浸透し、うるおいをキープし続けます。
イノシシオイルを販売しているメーカーは数少ないので、知る人ぞ知る存在ですが、ぜひとも試したい動物系オイルのひとつです。
過酷な環境から肌を守るエミューオイル
飛べない鳥として知られるエミューは、強靭な生命力でオーストラリアの厳しい大自然の中で命を繋いできました。その「エミューオイル」もまた、先住民族であるアボリジニの人々が傷の治療に役立ててきた歴史があります。
エミューオイルの脂肪酸組成も人間の皮脂にとても近く、高い浸透性があります。オメガ3のα-リノレン酸、オメガ6のリノール酸、オメガ9のオレイン酸がバランスよく含まれていることが特徴です。
オーストラリアでは、エミューオイルを医薬品としているほど、そのパワーが認められています。サラッとしたテクスチャーで、スルスル伸びて塗り広げやすいのもエミューオイルのメリット。
また、エミューオイルはプロスポーツ選手のマッサージでも愛用されています。筋トレやハードなスポーツの後のセルフトリートメントに、エミューオイルを使ってみるのもいいですね。
まとめ
動物系オイルを上手に選ぶコツは、高度に精製されているかどうか。精製にこだわっているメーカーを選ぶことや、疑問点があればショップに問い合わせてみてもいいでしょう。
においは製造の段階で抑えられていますが、それでも気になる方は、精油などを加えてにおいを和らげた商品を選びましょう。
また、動物系オイルは酸化しやすいため、なるべく早く使い切ることが大切です。直射日光や高温の場所での保存は禁物。商品の取扱説明書に書いてある通りに保管すれば、最後まで安心して気持ちよく使えます。
しっかり肌を包んで守る動物系オイルで、しっとりすべすべボディを手に入れましょう!