お腹や頭が痛くなったり、ドカ食いをしてしまったり、だるくて無気力になったりといった生理前のさまざまな不快な症状が、「PMS」(月経前症候群)です。では、PMSよりもさらに辛いと言われている「PMDD」をご存じでしょうか?どういった症状なのかを知っておけば対処もしやすくなります。PMDDの原因と、3つの対策方法をご紹介します!
「PMDD」って?
PMS(Premenstrual Syndrome)=「月経前症候群」なのに対し、PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)は「月経前不快気分障害」と表記されるものです。簡単に言えば、生理前うつの症状を指します。
PMDDの主な症状は、強いうつ状態、自己卑下、やる気の消失、絶望感、暴力的になる、集中力がなくなる、人に会いたくない、不安感などでPMSの不快な症状の中でも特に精神的な不快感が大変強く現れることから、普段の生活に支障が出てしまう場合もあります。
PMS、PMDDのいずれも生理の3~10日程前から始まるといわれており、生理が始まると嘘のように症状がなくなるといわれています。
PMDD対策その1:生理前の貧血を改善
PMSやPMDDの症状は、女性ホルモンである「プロゲステロン」が多く分泌される、生理周期のうちの「黄体期」に現れるため、原因は女性ホルモンではないかといわれていました。最近の研究では、さらにそのほかのことにも原因があることがわかってきましたが、その一つが「貧血」です。
本来は脳に集まるべき血液が、生理前になると子宮に集まることで「虚血性貧血」状態となり、PMSやPMDDの症状を引き起こしている可能性があります。
普段から貧血気味の方はもちろん、貧血になったことがないという方も、一時的に虚血性貧血になっているかもしれません。普段の食事の際に、レバーやほうれん草など鉄分が豊富に含まれた食事を摂るようにして、貧血を改善することを心がけていくようにしましょう。
PMDD対策その2:糖質や高GI食品は控える
貧血症状に加えて、生理周期の黄体期では、プロゲステロンがインスリンの働きを低下させることがわかっています。
糖質を摂り血糖値が上がると、インスリンが過剰に分泌され、からだが低血糖状態に。そのため、からだは血糖値を上げようとし、アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンを過剰に分泌することになります。これがPMDDの症状を引き起こす原因になっているのです。
インスリンは別名、「太るホルモン」と呼ばれているものです。PMDDの症状を抑えるためにも、生理前の時期に太ってしまわないためにも、生理前は甘い物やGI値の高い食べ物は控え、インスリンの過剰分泌を起こさないようにしましょう。
PMDD対策その3:幸せホルモンを分泌させよう
PMDDの症状を引き起こす原因の一つに、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の減少があります。セロトニンは排卵後に急激に少なくなってしまうためです。
セロトニンは、規則正しい生活によって生み出されます。起床後、太陽の光を浴びて適度な運動をし、栄養バランスのとれた食事を採り、22時頃など遅くならないうちに就寝するといった規則正しい生活をおくることで、分泌されやすくなっていきます。
また家族や恋人、親しい友人、ペットなど自分が心を許せる方たちとスキンシップをとるようにすると、セロトニンの活性化に効果があるといわれています。
そして、セロトニンを生み出すために必要な成分は「トリプトファン」です。トリプトファンは牛乳やチーズをはじめとした乳製品、納豆などの豆類や、白米などの穀類、肉類に多く含まれていますので、これらの食材も普段から意識して食べるようにしましょう。
終わりに
PMDDは生理前の数日間だけ、わずかな間のことなので症状が出ているにも関わらず改善しないでいる方も多いかもしれません。しかし、あまり改善しないようだとうつ病などに移行してしまう可能性もあります。
PMDDの症状が重く、食事や生活改善で変わらない場合はホルモンバランスが崩れている可能性も考えられます。婦人科を受診するなどして、早期対策、改善、治療すること葉大切です。からだの状態を改善し、生理前でも心身ともに快適に過ごせるようにしていきましょう。